病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート04 ~和みはこぶガーデニング~

ホスピタルアート実践レポート04 ~和みはこぶガーデニング~

子どもの頃、紫陽花が咲くと母がいつも話す思い出があった。
病院の庭で長い髪を梳る不治の病の患者さんと、その傍らで咲く紫陽花の美しさである。それは命の儚さと同時に生の輝きの象徴として私の記憶に重なった。

当時、結核の入院患者で溢れていたらしい祖父の病院は、外周を庭園にしていた。四季折々の木や花々が咲き乱れ、池には鯉やザリガニ、片隅の小屋にはブタや犬が飼われていた。そこを遊び場に過ごす夏休みには、散歩や日光浴で和む患者さんといつも行き交った。病院には植物や生き物が必要だという自分の感覚は、この時養われたのだと思う。

「アートガーデニングプロジェクト」
病院の庭やベランダを花で彩る花化計画が、済生会栗橋病院で実施された。
昨年秋と今年春の2回。プランターも自分達オリジナルにデザイン制作した。
初回は雨模様の寒い日だったが、ボランティア参加のユニクロ社員の方々からネックウォーマーのプレゼントで、参加者の心も身体もぽかぽかになった。

2回目はコスモ石油社員の方々や医・薬学を学ぶ大学生達、他院職員なども参加され一段と輪が広がった。共に土いじりをすると素の人間同士になる。それが嬉しい。植え終えた可憐な花を眺める顔は一様に和み、ここにまた協働のコラボレーションが加わった。

こうした活動はまだ日本で珍しい。
患者側の絶大なる応援に比して、病院側の参加がなかなか得られなかった。病院は本当に忙しいのだ。そんな中で本院と私をつないだコムケアセンターの佐藤修さんには心から感謝している。初めて本院を訪れた時、本田宏副院長と事務方の宮澤隆美さん、黒澤正剛さんが私の提案を真っ直ぐ受け止めて下さった。各自病院に対する夢を語り合った時、心通じた喜びを感じた。その後の展開には、温かく寛容な遠藤康弘院長の応援が大きな要となっている。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年10月号掲載

 
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