病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート06 ~ハッピーメリークリスマス展~

ホスピタルアート実践レポート06 ~ハッピーメリークリスマス展~

ホスピタルアート活動の同志であったアーティストの一瀬晴美さんが、最晩年に制作していたのが布人形だった。入院中のベッドの上から、様々な表情の愛らしい人形をたくさん創っていた。

その自由で楽しい人形創りを他の患者さんにも伝えたいと考え、NTT東日本関東病院精神科作業療法のアートプログラムとして実施した。
布の手触りには、温かみと安堵感があるようだ。絵を描くことには少し抵抗感がある高齢の女性も、楽しそうに布選びから始めた。
これには参加しないと予想した男性たちも創作意欲を発揮され、火を噴くドラゴンや等身大の案山子などハードボイルドな作品で驚かせてくれた。女性たちも箒に乗った魔女や鶏の親子、サンタクロースやお包みされた赤ちゃんなど、それぞれが大事にいとおしむ、世界に一つだけの人形を創り出していった。その間、患者さんたちと一瀬さんには互いの作品を紹介することで、別の病院にいながらにしてできる作品を通じてのコミュニケーション、あたたかな心の交流を願った。

そして半年後、一瀬晴美さんと患者さんたちの作品は、「ハッピーメリークリスマス展」として見事にコラボレーションされた。昨年12月のことである。一つ一つ大切な願いがこもった人形で飾られる大きなクリスマスツリー。みんなの共同作品といえるそのツリーを飾り完成させることができることを、私たちはとても幸せな作業に感じた。

手づくり作品のぬくもりは、展示最中もたくさんの人々を引き寄せた。
人形が欲しそうな子どもや「すごいね!」と賞賛する男性。
「私も創りたいなあ。」と娘さん。瞬く間に人が繋がっていく。
展示の仕上げ中には落合慈之院長先生たちが通り掛かり「ああ、きれいだなあ~。」と喜んで下さった。私たちもみんなの作品をもう一度美しいと感じた。

さて今年のクリスマスも楽しみだ。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年12月号掲載

 
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