病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート12 ~キッズレポーター病院に現わる!~

ホスピタルアート実践レポート12 ~キッズレポーター病院に現わる!~

「病院がキライ!」
という子どもたちが、私たちのホスピタルアート活動を取材しにNTT東日本関東病院にやってきた。
横浜国立大付属小学校とコスモ石油らが共同で取り組む子どものための社会貢献教育プログラム。その一環で様々なNPO活動を取材し社会的活動を学ばせる試みだ。当院の岡崎渉先生らのご協力も仰ぎながらの2時間。患者さんとのアートプログラムや院内空間を和らげる美化プロジェクトなど、病院でのアート活動の概要を紹介した。

子どもたちは素直で真剣だ。「なぜ始めたの?」「どんなふうに役立つの?」と直球の質問を投げてくる。先生のお話の最中では「あ~あ。」と子どもたちが互いに顔を見合わせ首をすくめた。後で尋ねようと用意していた質問の答えをいきなり先生に話されてしまったらしい。そうかと思えば、「何か質問は?」と先生が問うと「何歳ですか?」と真顔で言う。これには先生の方が拍子抜けした顔で可笑しかった。
「入院して少し笑顔を忘れた人の心を、アートでもう一度楽しい心にしてあげられたらいい。」
「病院に絵があったら楽しい気分になる。」
「色を変えただけで人がほっとする、アートの魔法みたいなところに興味を持った。」
というのが子どもたちの取材後の感想だった。初めはおずおずと苦手な病院を訪れた子どもたちも、本院の明るい雰囲気と気さくな先生のおかげで、帰る頃には屈託ない笑顔を取り戻していた。

病院/ホスピタルの語源は人をもてなすことだという。また病院の原型はアスクレピオス神殿だと、ギリシャを訪れて知った。美しい自然と気候風土の中、入浴や観劇も含めて行われた全人的治療。その起源に触れて感銘深かった。医療とは本来、そうした人間的営みと自然に寄り添いながら行われるのが理想的なのかもしれない。子どもたちがそれを思い出させてくれた。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年6月号掲載

 
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