病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート13 ~おかえりなさ~い!!~

ホスピタルアート実践レポート13 ~おかえりなさ~い!!~

全国の病院を繋ぐアートプロジェクトが今、展開している。
今年1年間にわたり、東京、宮城、大阪、広島等、全国14ヶ所の医療福祉施設において自由闊達な人形制作とその展示を行うもので、それら作品は次々と数を増しながら、次の病院へと巡回しているのだ。病院と人々と作品と笑顔を繋いでいく全国規模の活動、ハッピードールプロジェクトは、各地で生まれた爽やかな感動と温かなドラマをたくさん乗せて、10番目の活動へと向かっている。

先ごろ開催された9ヶ所目の開催地は福島県立医科大学病院であった。院内併設としては日本で唯一という養護学校と小児科を、テレビ中継で繋ぎながらの同時進行。幼児から中学生まで、患児と養護学校の先生方、保護者や看護士さんが輪になってにぎやかに、それぞれの手作り作業を楽しんだ。

やんちゃなアッキー君は怪獣を進化させ続け、留まるところを知らない。次々浮かぶ発想に手が追いつかない感じだ。人形作家を夢見て一心に手を動かす少女もいれば、絶えず小鳥のようにおしゃべりしながら作る子もいた。
成人でもつらい病を、小さな身体で受け止めて生きなければならない子ども達。日々いろんなことがあるに違いないが、子どもらしい自然な暮らしが伺えてほっとした。それには、本院職員の明るい育みの姿勢も反映しているのだろう。
「おかえりなさ~い!」
と子どもが検査などから戻るたびに、元気な声が出迎える。本田知史先生をはじめとする職員のみなさんの温かな声だ。

入院中の患者さんは優しい看護士さんを必要とするが、もっと必要なのが笑わせてくれる看護士さんだと聞いた。どうしようもない現実を慰めるより、笑い飛ばすほうが、力が沸いてくるものかもしれない。かわいい子ども達と元気な先生方に見送られ、嬉しく、ちょっとテレながら病院を後にした。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年7月号掲載

 
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