病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート15 ~ARTで改造-ビフォー&アフター~

ホスピタルアート実践レポート15 ~ARTで改造-ビフォー&アフター~

最近、アートによる施設改善の依頼を様々な機関から受けるようになった。
病院も例外ではない。
ホスピスのバスルームをやすらぐ雰囲気に、小児病棟に楽しい壁画を、また改善する建物に現代的なアート性を加味したいなど、要望は各病院ともに具体的だ。確かに、既存の施設に大幅な改築など施さずに環境美化を図るとしたら、アートほど効果的なツールはないだろう。

例えば、4年前から毎年関わってきた駒沢オリンピック公園の施設改善もその好例といえる。外資企業の社会貢献の一環で行われる公園の美化活動に、私たちは毎年デザインを依頼されてきた。公園のアートリノベーションだ。ビフォー段階では、ペンキのはげた暗い空間に人影もまばらなのに、ひとたびカラフルな色彩とデザインを施したとたんに、人が惹きつけられ、どんどん集まってくる。その前後で著しく変化する来園者の反応に、いつも驚き、感動している。

病院にもやはり、人が入りたくなるような美しく気持ち良い空間が求められていると思う。
昨日行われた済生会栗橋病院でのリノベーション活動もまた、その効果を再認識できる機会と なった。患者さんの増加に伴い、急遽新設することになった点滴室。しかしそこへのアプローチに倉庫だった場所を使用せざるをえなくなり、そこを少しでも心温まる通路にしたい、というのが病院側の願いであった。相談の結果、ペンキが塗れる部分の壁にパステルカラーの水玉模様を描き、配管がむき出しの天井も同様の模様を描いたビニールシートで覆うことにした。翌日手術する患者さんもドクターも一緒に参加してのプロジェクト。
「病気も治 りそうだ」
「明日の手術はもう大丈夫だね」
と冗談を言い合いながらの作業 だった。

完成したカラフルな空間にはやはり、にこにこ顔の見学者がたくさん集まってきた。明るい空間は人を呼ぶのだ。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年9月号掲載

 
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