病院を温かな空間に。患者さんを対象にしたアートプログラムを実施しています。

ホスピタルアート実践レポート16 ~海外ホスピタルアート事情~

ホスピタルアート実践レポート16 ~海外ホスピタルアート事情~

病院に温かな空間やひとときを運ぶ、ホスピタルアート。
海外では、その効果やメリットに気づき、積極的に取入れている病院が多い。今回はそうした例をご紹介したい。

子ども病院としてはロシア最大級(1200床)のロシア小児医療病院では、難病の子ども達の治療に早くからアートセラピーを取り入れている。
病院内での創作活動は、子どもの不安や恐れを除き、小さな命に絶えず圧し掛かる病の重圧から開放する効果が認められているのだ。それはまた、子どもの身の回りの世話と家事に日々追われ、それ以上のケアをする余裕が無い、母親の代役も担ってくれているようだ。

イギリスのアデンブルーク病院では、患者の回復を助け、ストレスを和らげるためのホスピタルアートプロジェクト実施に、専門家のキュレイターを年収37,000ポンドで配属したとして、大きな話題を投げかけた。

アメリカ屈指の名門大学病院でも様々な取組みを行っている。
エール‐ニューへイブン子ども病院では、患児を含む40カ国の子ども達の絵を、院内に常時展示している。スタンフォード大学病院では、800点の美術品と200点のポスターを所有、展示するほか、患者のストレスを和らげ精神力を高めるためのアートプログラムが実施されている。またコロンビア大学病院では、6~18歳の患児対象のダンスや絵画教室、自転車競技などのプログラムも、継続的に実施されている。

病院の枠や国境を越えた活動組織もある。アメリカのアトランタに本拠地を持つホスピタルアート財団は、1984年の設立以来、166カ国 800病院とのネットワークを結び、アクティブな活動を展開している。
私が手探りで本活動を始めた頃、財団代表のジョン・フェイト氏に素晴らしい活動だと背中を押していただいたことが、今まで続けられた一つの力にもなっている。

Wonder Art Production/Hospital Art Lab.
代表 高橋雅子

月刊「病院」(医学書院)2005年10月号掲載

 
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